
令和6年分の確定申告の提出期限は3月17日。今年もこの時期がやってきました。今回の記事では、FIREメンバーの3人が確定申告を終えて感じた苦労や、意外と楽だったことについてシェアします。これから確定申告をする方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
初めての確定申告、E-Taxの壁(1人目の事例)
私にとって2023年分の確定申告は初めての経験でした。前年の前半はサラリーマンとして働いていたため、給与の源泉徴収があり、後半は無収入というシンプルな収支状況でした。しかし、初めての確定申告ということで、E-Taxの画面を見た瞬間に戸惑いました。
・どこに何を入力すればいいのか分からない ・自分の申告内容が正しいのか不安 ・新しいシステムは慣れるまでが大変
結果的には、源泉徴収票の情報をそのまま転記し、還付を受けるだけの簡単な作業でしたが、「何をどうすればいいのか分からない」状態が一番のハードルでした。
2024年分の確定申告は複雑化
2024年に入ると、筆者の確定申告はより複雑になりました。
・一般口座の株式譲渡益の申告:特定口座ではなく一般口座で取引してしまったため、確定申告で税金の精算をしなければなりませんでした。特定口座なら自動計算されるため楽ですが、一般口座の場合は自分で計算し、E-Taxに入力する必要があります。
・青色申告の開始:2024年に開業したため、青色申告での確定申告となりました。これにより、会計処理や帳簿作成が必要になり、準備に手間がかかりました。
会計ソフト「弥生の青色申告」に頼る
青色申告をするためには、帳簿を正しく作成する必要があります。私は「弥生」の会計ソフトを利用しました。
・売上と経費を入力するだけで、自動で必要書類を作成
・初年度は無料、翌年以降は課金が必要 ・来年はE-Taxで自力申告できるか試す予定
青色申告初心者にとって、会計ソフトは大きな助けとなりました。
領収書・証憑類の整理が大変
確定申告で意外と大変だったのが、領収書や証憑の整理です。
・領収書や売上明細を印刷して整理する作業に3日かかった
・どのフォルダに保存したのか分からなくなる
・1年分をまとめて整理すると大変なので、四半期ごとにやるべき
この経験を踏まえ、今後は定期的に証憑を整理し、年末に慌てないようにしようと思います。
低額減税の仕組みが分かりづらい(2人目の事例)
今回、一番戸惑ったのが「低額減税」でした。申告時に妻が個人事業主のため、3万円の減税が妻に自動的に割り当てられてしまう現象が発生。私は会社員だったので、自分で申請できるのかと思ったのですが、勝手に妻の方に適用されてしまいました。
どうやら、現時点でシステム上の仕様なのかバグなのか分かりませんが、一度割り当てられると変更ができない様子。
しかし、役所に確認したところ、6〜7月頃に「給付」という形で別途申請できるとのこと。つまり、確定申告時に低額減税を適用できなくても、後から申請すればもらえる可能性があるようです。これは公式の案内には載っておらず、SNSなどで情報を得ることができました。
医療費控除の落とし穴
もう一つ大変だったのが医療費控除です。
今の確定申告システムでは、マイナポータルと健康保険が連携しているため、「もう何もしなくていい!」と思っていました。しかし、実際に申告を進めると、交通費が自動計算されていないことに気づきました。
特に、子供の医療費は無料のことが多いのですが、通院の交通費はかかります。この交通費を計算するために、お薬手帳を確認しながら日数を数えて入力するという作業が発生。来年に向けて、通院のたびに交通費をメモしておくとスムーズに申告できそうです。
また、国税庁のサイトでは、医療費控除用のExcelフォーマットが用意されており、それに入力すればそのままアップロードできるとのこと。次回はこの方法を試してみようと思います。
職業欄の書き方問題
もう一つ悩んだのが「職業欄」です。
会社員のときはシンプルに「会社員」と書けばよかったのですが、今年はそれが通用しません。では「無職」と書くのか? と思いきや、税務署的には「家業手伝い」と書いた方が適切とのこと。
また、個人事業主の場合も「個人事業主」と書くのはNGで、「何の事業をしているのか」を具体的に記載する必要があるそうです。たとえば、「ジュエリー販売」や「フリーライター」など、具体的な職種を書くのが正しいとのことでした。
2024年からの新たな挑戦:マイクロ法人の設立(3人目の事例)
2024年、私はマイクロ法人を設立しました。これにより、個人としての確定申告だけでなく、法人としての手続きも必要になりました。
まず、自分で源泉徴収票を作成する必要がありました。以前は会社からもらっていたものを、今度は自分が法人として発行し、個人として受け取るという流れになります。この作業がなかなか複雑で、理解するのに時間がかかりました。
源泉徴収票は役所のホームページなどでフォーマットをダウンロードでき、それに記入すれば作成できます。ただし、法人と個人の関係を整理するのが最初は難しく、試行錯誤の連続でした。
領収書整理の大変さ
確定申告で最も大変だったのは、領収書の整理です。特にカフェでの打ち合わせが多く、それを経費として計上する際に、どの程度を事業経費として認めるかを考える必要がありました。
今年は、領収書のデータ入力を妻にお願いしました。最初は断られるかと思いましたが、意外にも引き受けてくれて大助かりでした。スプレッドシートにすべての情報を入力し、後で事業経費と個人の支出を振り分ける作業を行いました。
YouTubeと個人事業の線引き
私の収入源は、ブログやX(旧Twitter)は個人事業として扱い、YouTubeはマイクロ法人で管理しています。この線引きが曖昧な部分があり、どの経費をどちらに計上するかを決めるのが難しかったです。
特に、YouTubeでは妻が出演することも多く、その給与を支払うために法人化しました。法人でなければ給与の支払いが難しくなるため、結果的に法人での管理が最適だと判断しました。
7月の決算が次の山場
法人の決算月は7月なので、確定申告とは別に、もう一つの大きな作業が待っています。税理士を使わずに自分で対応する予定ですが、税務署への相談を活用しながら進めようと思います。
楽だったこと
意外にも、2年目の確定申告ではE-Taxの機能が役に立ちました。特に、前年の減価償却データが自動で引き継がれる点は非常に便利でした。初年度に比べると、確定申告の作業はスムーズに進みました。